ELECTROCHEMICAL CELL 電気化学セル

ELECTROCHEMICAL CELL

電池評価セル SB

電池断面観察用セル
SB2300

リチウムイオン電池に代表される二次電池の充放電過程に伴う反応進行状態を、
電極平面ではなく電極断面からリアルタイムに可視化できるセルです。

SB2300

用途

  • インターカレーションの深さ方向の反応分布
  • デンドライト発生のメカニズムの解明
  • 電極の膨張/収縮の観察

セル構造

正極および負極は専用の抜き刃で10mm□にカットし、セパレーターとともに電極拘束治具にセットします。電極は左右からステンレス治具で拘束され、スプリングで一定の荷重が負荷されます。
正負極の真下にLi金属などの参照電極材料を押付けることができ参照電極を組み込んだ3電極系での測定も可能です。

電極をセットした拘束治具をステージ台に入れます。
セルボディに入れると板ばねで簡単に集電が取れ、正極/負極/参照極の端子はセルボディ外側の3箇所に対応します。
セルカバーを閉めることで、拘束治具をセットしたステージ台が窓材に向かって押し付けられる構造となり窓を介して電極断面の観察が行えます。

セル構造
セル構造

グラファイト負極の充電時インターカレーションの色変化観察

測定条件

電解質 1M LiPF6(EC-DMC-EMC 30:35:35)
正極 コバルト酸リチウム
負極 グラファイト
参照極 Li
Cレート 1/15C(CC-CV充電)

グラファイト負極は、リチウムがインターカレーションする充電の過程において、グレー→青→赤→金色へと変化することが知られています。
当社のセルも同様にSOC0%→100%の過程において、各反応ステージにおける色変化を観察することができました。

セル展開図
セル展開図

電池断面観察用セルのIn-situラマン測定

堀場製作所社製
性能とユーザビリティを両立したラマン顕微

LabRAM Soleil

LabRAM Soleil
LabRAM Soleilとの接続例

LabRAM Soleilとの接続例

放電中のin-situラマンスペクトル

充電状態でLiのグラファイトへのインターカレーションに由来するLiC6のピークが強く観察され、3.8V付近からのLiC6ピーク減少に伴い、グラファイト由来のGバンドのピーク増加および形状の変化が観察されました。

放電中のin-situラマンスペクトル

充電/放電状態におけるin-situラマンイメージング

光学顕微鏡像とラマンイメージ(RGB)のオーバーレイ

光学顕微鏡像とラマンイメージ(RGB)のオーバーレイ
グラフ

充電状態ではインターカレーションが進行しているエリア(緑)と十分に反応が進行していないエリアが観察された。
放電状態ではグラファイトの結晶性が高いエリア(赤)とグラファイトの結晶性が低いエリア(青)がまばらに観察された。

仕様

(項目毎にご選択ください)

項 目 品 名 コード 仕 様
セル本体 S2300 セル本体 14256 材質:SUS316/304,PEEK,PTFE,石英,EPDM ガスケット,パーフロ O-リング,リン青銅
交換用 S2300 ゴム 3 回分 14257 材質:EPDM ガスケット,パーフロ O-リング
S2300 観察窓 14258 材質:石英
拘束治具 S2300 2極用拘束治具 14260 材質:SUS316,PPS
S2300 3極用拘束治具 14261 材質:SUS316,PPS
ハンドパンチ S2300 ハンドパンチ 14259 ボディ材質:高強度アルミ合金,型抜き 寸法:□10×10mm 角R0.2mm

注)セル本体とは別に拘束治具から1つをご選択いただく必要がございます。

セル本体 2極用拘束治具 3極用拘束治具 ハンドパンチ 寸法参考図
セル本体
2極用拘束治具
3極用拘束治具
ハンドパンチ
寸法参考図